フリーエネルギー技術開発の特徴と種々相

フリーエネルギー技術開発の特徴と種々相






Chap.14 グラジエント・対抗/相殺磁場

1. フリーエナジーのキーポイントとしてのグラジエント
  1.1 FETやTrなどの半導体電子回路で作る急峻な勾配を用いるケース
  1.2  高圧スパークで作る急峻な勾配を用いるケース
2. パトリック. J. ケリーの洞察
  2.1 フランク・プレンチスのCOP=6のパルス・エアリアルシステム
  2.2 デイブ・ロートンの半導体回路
  2.3 ジョン・ベデイニのバッテリー充電回路
  2.4 テスラ スイッチ
3. バッテリーの秘密とバッテリーの若返り
  3.1 ベディニの R-充電装置:バッテリーの若返り
  3.2 リンデマン著:バッテリーの秘密
4. 対抗/相殺磁場








Chap.14 グラジエント




 FEの研究開発においては、パルスのグラジエント(勾配)とパルス頻度に留意すべきである。グラジエントは、物理量の微分量、あるいは、ときによっては、二階微分量である。このことは、FE開発の参考になるであろうから、これらのことについて、この章でまとめてみたい。

 時間で微分する場合は、時間グラジエントであり、空間距離で微分する場合は、空間グラジエントである。どちらも大切である。本章では、主に時間グラジエントを扱う。

 また,磁場と磁場を対抗させる対抗磁場及び無誘導巻きコイル(NIC)もFE分野では使われている。かなり重要であると筆者は思うのでまとめてみる。


 

1. フリーエナジーのキーポイントとしてのグラジエント



 オーバーユニテイを達成する、すなわちフリーエナジー装置の製作を成功させるのには、従来物理学の熱力学第二法則の壁を突破する必要がある。これについて興味深いことをベアドンは書いている。これは、XI章に述べたが、以下に再掲する。

 
ノーダン様

 あなたのWeb siteは、驚異的なデモンストレーションを提供し続けています。これは、世界中の全ての研究者に大きな勇気付けとなっています。あなたがなし続けておられる素晴らしい仕事に賛辞と賞賛をおくります。

 あなたの実験で、“矩形波パルス”のエッジはすごくシャープに立ち上がり、またすごくシャープに立ち下がっています。手短かにいえば、“強烈な勾配”になっています。このことに留意されたい。(中略)

 強烈な勾配は、また、‘熱力学第二法則を破る’という先導的熱力学により既に認められた領域でもあります。例えば、コンデプディおよびプリゴジン(Dilip Kondepudi and Ilya Prigogine)の著書 "Modern Thermodynamics: From Heat Engines to Dissipative Structures", (Wiley, New York, 1998, reprinted with corrections 1999)を見られたい。



 既に知られている‘熱力学第二法則を破る’という領域は、その459頁にあります。その一つは強烈な勾配であり、そのほかのものは材料のメモリー、等々です。Kondepudi および Prigogineが、そのような強烈な勾配について、“理論的にも実験的にも、あまり良くは知られていない”と述べています。(中略)

 私は、真空(時空)それ自身において、狭い間隙においてエネルギーの強烈な密度勾配が突然起こったとき、何が起こるだろうかということについて、そのメカニズムの研究を、ぼつぼつだが、やっています。ある種の、どちらかといえば驚異的な現象が起こることがわかって来ました。その現象は電磁気学教科書には、ちょっぴりしか書かれていません。

 これは、あなたへのプライベート情報ですが、Bediniも、そのようなパルスと、それによる様々な回路や要素・等々への効果について、ものすごく研究しています。彼は、新しい現象を、高い信頼性をもって、作り出せるし、また、そのコントロールができ、実際の回路に用いるようになっています。彼は、驚くべき結果とそれを導く方法について、またパテントを取ると、私は信じています。

 熱力学の第2法則(エントロピー生成の法則)は、そのような急峻な勾配により破れていることが既に知られているという事実は、あるネガティブ・エントロピーが、第2法則に逆らってしばしば作られるということを意味しています。

 そのことは、真空から過剰エネルギーを乱暴にも引き出す特殊な方法であることを意味します。何故なら、“ネガティブ・エントロピー”は非秩序の減少を意味し、結局、真空(バーチャル状態)の非秩序の秩序化を意味するからです。言い換えれば、関連し得るネガティブ・エントロピーの(一つ以上の)働きが確実に存在するのです。

 問題は、誰も、そのような急峻な勾配でたたくときのように、厳しく急激な非平衡や、厳しく急激な時空間の湾曲等々が存在するときに、真空がどうなるかを調べていないようなのです。

 いま当面する点は、研究する人が使うであろう現象学は、真空それ自体やその力学を“記述”するのに用いるモデルのタイプに依存していることです。ここで、もう一度言っておきますが、あまり良くしられていないのです。理論的にも実験的にも、です。

 電磁気学では、この領域の殆どは“過渡現象”なのだと見なされていますし、そのような“望ましくない”過渡現象は、“消滅”させることに殆どの努力が払われてきました。

 エネルギーは、また“正のエネルギー”である必要はなく、逆に“負のエネルギー”を含むことが可能です(Sweetのデバイスがそうであったように)。実際、SweetのVTAの出力では、正のエネルギーよりも多くの負のエネルギーを発生しました。(訳註:Sweetのデバイスは、上記第1節に紹介した)

 従って、不可思議な負のエネルギーが原因となり、ヘビサイドの成分、VTAは、反重力の方向に向かって変更され利用されました。私が設計したSweet装置は、ベンチテストで、重量が90%減少しました。



  よろしく。
  Tom Bearden







 “強烈な勾配”とは、例えば、下図のようなパルス状の波形である。この図で、縦軸は物理量、横軸は時間である。物理量の時間変化を時間で微分してみれば勾配が得られる。下図こ示した例とは違って、サイン波は強烈な勾配にはならない。緩やかな勾配である。

 下図のパルスはその頻度も重要になる。このような強烈な勾配のパルス列により作られた物理量の、例えば、強い磁気パルス and/or 電場パルスが、イーサエナジーにかみ合って、雪だるま式に雪崩現象が起こりエネルギー捕獲作用が起こると、私は思う。
 
Fig.1 強い勾配の波形の二つの例

 フリーエナジー分野で強烈なグラジエント(勾配)が使用されている例を挙げると、下記のように、FETやTrなどの電子回路で作る方法と、放電を用いる方法の二とおりに分類される。






1.1  FETやTrなどの電子回路で作る急峻な勾配を用いるケース



(1) 超効率を達成したIde・インバータ



 最も分かりやすい説明がなされているのは、第VII章の“超効率を達成したIde・インバータ: イーサエナジー共鳴の秘密”である。

 彼は、パワーが膨れ上がる様子を下図のように図解している[7章文献4.4]。強烈な勾配のパルス列が、イーサエナジーを捕獲する様を上図に説明した非常にわかりやすい図である。詳しくは原著を見られたい。
 
Fig.2 イーサ・レゾナンス[7章文献4.4]
(a)駆動パルス、(b)駆動パルスにより引き起こされた出力電圧・電流、
(c)急峻なスパイクパルス、(d)トランスに入力される急峻なスパイクパルス、
(e)共鳴現象:トランスから出力される急峻なスパイクパルス電圧。


 上図の(a)のように、非常に急峻なパルス、従って大きなグラジエントが用いられている。



(2) ジュールシーフ回路による香港の自立型発電器FLEET



 これは、第VII章において、“ジュールシーフ回路による香港の自立型発電器FLEET”のところで述べたことである。

 香港の開発チーム(Mr Lawrence Tseung, Dr. Raymond Ting, Miss Forever Yuen, Mr Miller Tong and Mr Chung Yi Ching)により開発された。何年もの間の、思索と研究と実験により得られた結果であり、いまや、テストとデモンストレーションの域に達した。近いうちに商業生産に入る準備ができている、という。

 彼らの用いた波形は、下図のとおりである。電圧パルス頻度は、約290kHzである。

 
Fig.3 出力波形。大きなパルスは290kHz.


 上図の波形には、急峻な勾配があることは明らかである。また、この波形は放電波形に似ている。従って、放電を用いることが可能であることを示唆している。



(3)冷電気の発生をFET, コンデンサー等の回路で試みる研究



 これは、第VII章において、“冷電気の発生をFET, コンデンサー等の回路で試みる人”のところで述べたことである。彼らは、シャープな矩形波パルスを用いて急峻な勾配を作っている。



 
Fig.4 発振信号に対応するRadientエネルギーの流れ。
   ラジアントネルギーのGain-looseの図





(4) S.マリノフのOver-unity トランス



 これは、第VII章において、“S.マリノフのOver-unity トランス”のところで述べたことである。



Fig.5 マリノフのOU (Over Unity)トランス(ホーバスによるスケッチ)


 上図内の上のところに矩形波が描かれていることに注意。大きなグラジエントが用いられている。



(5) S.パトリック等による超効率発電機MEG(米国特許)



 これは、第VII章において、“S.パトリック等による超効率発電機MEG(米国特許)”のところで述べたことである。

Fig.6 S.パトリック等による超効率発電機MEGの波形


 これも、上図に示すように急峻なグラジエントが用いられている。



(6) R.ウィリズの磁気バイアス空気間隙コイルの超効率



 これは、第VII章において、“R.ウィリズの磁気バイアス空気間隙コイルの超効率”のところで述べたことである。

Fig.7 ウィリズの装置 


 上図に示すように、機械的バイブレータを用いて急峻なグラジエントを発生させている。







1.2  高圧スパークで作る急峻な勾配を用いるケース



 以下、3例だけ挙げておく。

(1) テスラによるラジアント粒子の発生


 これは、第IIIa章において、“テスラによる縦波の発見とラジアントエネルギー”のところで述べたことである。

拡大します
Fig.8 Magnetically quenced spark by Tesla's patent
図面クリックで拡大します。


 テスラは、高圧発生ダイナモの出力で高圧コンデンサを充電し、電極(放電電極の近傍に永久磁石を配置し磁場をかけている構造。強い磁気勾配が印加される)で急峻に放電するとラジアントエネルギー(ラジアント粒子)が発生する。電極にはDCを印加する。磁石と電極間隙を調整して放電状態(周波数など)を変えるのだが、インパルス間隔を変化させると、それぞれの間隔特有の効果が発生する。

 よく知られているように高圧DC放電により、強烈なスパイクが発生する。急峻な勾配を有する電流の発生である。

(2) カパナーツェのフリーエナジー発電機&キャパジン


 これは、第IIIa章の“T.カパナーツェのkW級フリーエナジー発電機―テスラの応用技術”の節を見られたい。
 下図のように、彼の発電装置には、スパークが使われていることに留意されたい。興味深い点は50Hzのアーク放電であることである。高い周波数のパルスが発生すると思う。また、ダイオードの存在は重要である。

Fig.9 カパナーツェ発電機の回路の 想像図(Alexander Frolov)[5.1]




(3) ドン・スミスの高出力フリーエナジー発電機


 これは、第IIIb章の“ドン・スミスの高出力フリーエナジー発電機”の節を見られたい。

Fig.10 ドン・スミスの装置の例


 上図のように、彼の発電装置にも、spark gapがあり、高圧放電が使われていることに留意されたい。図のように、スパークギャップの前に、高速高圧ダイオードを入れることは、非常に大切である。もちろん、高圧に耐えられるような数のダイオードを直列接続する。










2. パトリック. J. ケリーの洞察





 パトリック. J. ケリーが非常に興味深い洞察を行っているので、紹介しておく。以下は、文献[1]の抜粋・概訳である。鉛蓄電池を使う方法が取り上げられているが、これは、ジョーセルなどが、そうであったようにイーサエナジーと親和性が高いので、賢明な方法であると思う。

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 フリーエナジー装置で、一つ、非常に興味深い特徴は、装置は、それぞれ非常に異なっていて、応用面も異なっているように見えるのだが、その背景となる動作はしばしば同じであるということである。

 DCの正の鋭いパルスは、周囲のエネルギーフィールドと相互作用するので、そのような特別のエネルギーの獲得ができ、そのエネルギーを使用できるとわかっている人なら誰に対しても、大量のフリーエネルギーが得られるようになるということは明らかである。

 オーバーユニテイ(超効率)ということは不可能なことなのであるということを、もう一度、強調しておきたい。オーバーユニテイとは、入力エネルギーよりも大きな出力が得られることを意味している。どんなものでも100%以上のものは得られないのだから、これは不可能である。

 しかし、どんな装置でも、その動作を見るのに完全に有効な方法があり、それは、装置を動かすのに必要な入力エネルギーに対して出力されるエネルギーの割合を評価するという方法である。これは、“成績係数”、あるいは簡単に"COP"と呼ばれている。

 COP=1というのは、入力エネルギーと等しい出力エネルギーが得られるということである。COP>1では、入力エネルギーより大きな出力エネルギーが得られるということである。例えば、追い風の帆船は、乗組員による動きの動作エネルギーなしに乗員を搬送する。この場合、エネルギーは、その周囲の環境よりやってくる。効率は低いが、COPは1よりは大きい。

 我々がここで求めているものは、風力エネルギー、太陽エネルギー、河川のエネルギー、熱エネルギーや、そういった類ものではなくて、我々を取り囲んでいる見えないエネルギー、すなわち、“ゼロポイントエネルギー”フィールドあるいは“環境バックグラウンドエネルギー”である。

 このことについては、多くのフリーエナジー(FE)開発者によって開発された、明らかに互いに異なる数多くのFE装置のなかで、彼らが使ったパルス回路を見てみよう。

 電気的“パルス”とは、非常に鋭く立ち上がり、鋭く降下する電圧である。しかしながら実際のデバイスのなかでは、、パルスは、一つだけ単独に孤立して発生するようなことは滅多にない。従って、おそらく、パルスの列、あるいは、非常に鋭い立ち上がりと降下端をもつ波形の列と考えた方がよいだろう。

 これらの信号発生源は、発振器または信号発生器と呼ぶことができるが、それは常識的なものなので、通常は第二の考えを付与することはなさそうである。しかし、発信器をゼロポイントエナジーの捕獲に使うことに対する本当に重要なファクターは、波形の質である。

 理想的に、必要となるものは、オーバーシュートのない正の完全な矩形波で、電圧はマイナスに振れないこと、あるいは、非常に鋭い立ち上がりと短い降下時間をもつ複合波形である。

 これらの波形を作るのは、あなたが想像するよりも、ずっと難しい。

 今日の、洗練された半導体電子デバイスの分野ですら、真に鋭い電圧パルスを作るベストの方法は、いまだスパークギャップを使うことであると考えられている。とくに、スパークギャップに垂直に強い磁場を印加してスパークを断続する方法である。このタイプの例として、下記のデバイスを考えてみよう。



 

2.1 フランク・プレンチスのCOP=6のパルス・エアリアルシステム



 米国の電気技術士フランク・W・プレンチスは、入力エネルギーより6倍大きい出力エネルギーとなる装置を発明した(COP=6)。彼はこれを“電力集積器”と呼んでいるが、1923年にパテントを取得した。

 (訳註:これは、第VIIIb章14節に紹介してあるので、そちらを見られたい。)

 フランクのシステムは、非常にシャープなDCパルスを、地面からあまり高くない位置に設置した水平の電線の長さの方向に加えるものである。パルスは、トランスの一次側のスパークギャップ、および、二次側の高圧のスパークギャップにより、シャープなものになった。信じがたいほど簡単な装備で、500Wの入力電力が3kWの出力電力を生んだ。



 

2.2 デイブ・ロートンの半導体回路



 このようなパルスを発生させることに成功した半導体回路が、スタン・メイヤーの水燃料電池を再現したデイブ・ロートンの半導体回路の中に見られる。ここでは、通常のタイマーチップNE555が矩形波を発生し、この矩形波は注意深く選んだFET BUZ350に供給され、このFETは下図の点“A”におけるチョークコイルの結合ペアによりウォーター・スプリッター・セルを駆動している。

 
Fig.1 デイブ・ロートンの半導体回路[1]



 スタン・メイヤーは、これらのチョークコイルを巻くときにトロイダル・フェライト・リングを用いたのであるが、デイブ・ロートンは二つの真っ直ぐなフェライト・バーを用いて、厚い鉄の細片で頂部と底部にブリッジをかける方法を用いていた。

 真っ直ぐなフェライト・バーに巻いたチョークも、同じように上手く動作することが分かっている。パイプ電極に与えた波形が非常に鋭い、非常に短い、高電圧スパイクに変換されているのであって、全てにおいて効果は同じである。

 これらのスパイクが、ローカルな量子環境を不均衡にし、巨大なエネルギーの流れを引き起こす。そのうちのほんのちょっぴりの%のエネルギーが、余剰電力として回路に流れる。セルは冷たくなる。普通の電気分解セルでは、温度かかなり高くなるし、もっと大きな電力が必要となるのである。



 

2.3 ジョン・ベディニのバッテリー充電回路





 ジョン・ベディニは、 ローカルエナジー(訳註:装置が置かれた場所における環境イーサエナジー)をアンバランスにして付加的エネルギーの流れを引き起こす、非常に短く、非常にシャープな電圧スパイクを作るのに、バイファイラ巻きコイルを使って発生させている。下図は、彼のUSパテントNo.6,545,444のFig.1である。

 
Fig.2 ベディニのUSパテントNo.6,545,444[1]



 ベデイニは、製作した多くの設計図を気前よく提供してくれた。これらはどれも良く似たものであり、すべて基本的に比率1:1のバイファイラー巻きトランスである。これは、"13b"と記したコイルユニットの巻き線の中を流れるシャープな誘導電流をトリガーするために、縁部分に永久磁石をつけた自由回転ロータを用いている。"13b"は、トランジスタをonにし、巻き線"13a"にパワーを与える。これがロータにパワーを与える。

 ピックアップコイル"13c"は、環境から付加的エネルギーを集める。それはこの特別な回路で、キャパシタに蓄積される。ロータ(ギアで速度はダウンされている)が数回回転すると、キャパシタのなかの電荷は、第二の充電用バッテリーに供給される。

 
Fig.3 ベディニの装置[1]



 1および2と記されたコイルは自励振動し、図に示されているような何回も巻いたコイル3があるので、ロータが望ましいとはいえ、必須ではない。巻き線3は、非常に短く鋭い高圧スパイクを発生し、これがこの回路設計の本質的なところである。

 それらのシャープなパルスが (上図のキャパシタのかわりに)鉛蓄電池に供給されると、普通にはない効果が発生する。すなわち、蓄電池と環境との間にリンクが発生し、環境エネルギーで蓄電池が充電されるのである。

 これは驚異的発見である。1:1のチョークコイルのおかげで電圧パルスは高電圧であるので、充電されるバッテリ・バンクは、幾つかの数のバッテリが可能であり、ドライブ・バッテリが12Vであっても24Vバンクのように積み重ねられる。

 さらにもっと興味深いことは、パルス回路をoffにした後、充電が半時間も続いたという事実である。

 この回路を成績係数が極大になるようにチューニングするのは、巧妙な作業となるのであるが、それが出来ると、COP>10にもなる。主な障害は、充電中はバッテリ・バンクにはどんな負荷もつないではいけないという充電メカニズムになっていることである。

 このことは、連続的に使用するためには、一つは充電に用い、もう一つは負荷をかけて使用に用いるために、二つのバッテリがなくてはならないことになる。さらに深刻な問題としては、このバッテリ・バンクは家庭用として実際に使うのには適切ではない。

 電気洗濯機は、2.2kW必要であり、一つの洗濯時間は1時間ほどかかるであろう。冬の期間は、洗濯と加熱が同時に必要であり、負荷は2倍になる。(訳註:日本と洗濯機の事情は異なる)…従って、ベデイニのパルス・チャージング・システムは、小さな装置以外には実用的ではなかった。

 …しかしながら、ここで重要なポイントは、これらの短いパルスが鉛蓄電池に与えられると、環境との間にリンクが形成され、外部から多量のエネルギーが回路に流れ込むことになるということである。これは、余剰の”フリーエネルギー”である。…



 

2.4 テスラ スイッチ





 これで終わりではない。ニコラ・テスラは、世界に交流(AC)を導入したが、のちにACから非常に短いシャープな直流(DC)に移っていった。彼は、これらのシャープな高圧DCパルスの周波数と幅を調整することによって、環境から全ての範囲の効果−加熱・冷却・発光、etc−を発生させることが出来た。

 注目すべき重要な点は、パルスが環境から直接エネルギーを引き出していることである。それらの実験中にテスラが用いていた進んだ装置はさておいて、テスラの単純な、4-バッテリ・スイッチに行ってみよう。ここに、環境からフリーエナジーを引き出すシャープな電圧パルスについて同様な基本的動作が見られるのである。

 3年間に渡ってテストされたエレクトロダイン・コーポレーションの回路( "The Manual of Free-Energy Devices and Systems", 1986)を考えてみよう。

 
Fig.4 4-バッテリ・スイッチ[1]



 
読者Y氏から、下記のご意見を頂きました:

 Chap.14 2.4テスラスイッチ Fig.4 4-バッテリ・スイッチ[1] のバッテリに接続する4個のダイオードの向きは間違っていると考えます。

 この元図は http://www.free-energy-devices.com/Chapt5.htmlから引用されたと思いますが、そもそもこれが間違っているのではないでしょうか。本文中はエレクトロダイン社から改めてもらった図でこれが正しいと言っていますが、図の差し替えを忘れたようです。

 http://frienergi.alternativkanalen.com/Chapt5.html が本家のサイトらしく、ここではダイオードの向きが正しくなっています。(少なくとも私はそう考える)どっちの向きが正しいのかは、他の応用回路などを比較してみれば明らかです。

 四個のバッテリーを二つのグループに分け、一方を直列接続、もう片方を並列接続とし、直列電池から並列電池へと電圧差で充電する。これを二つのグループ間でスイッチとダイオードを介して高速で切替て繰り返す。ダイオードに神秘性はなく、この切り替えを100Hz以上で繰り返せばよい筈なので、ダイオードの向きは通常の直流で考えればよい。

 以上ですので、Chap.14 2.4テスラスイッチ Fig.4 4-バッテリ・スイッチ[1]は、もう一度お調べになって改訂されることをお勧めします。

 テスラスイッチに関する記述全体から読み取れる思想と同掲載の応用例の回路から判断した個人の見解であり何が正しいかは夫々が判断しなければならない。




 このデバイスで使われるスイッチングは、機械式装置であって、6個のスイッチが付いている。いつでも3個はONで、3個はOFFである。エレクトロダイン・コーポレーションのスタッフは下図のような回路図を提供してくれた。

 
Fig.5 エレクトロダイン・コーポレーション提供の4-バッテリ・スイッチの回路図[1]



 スイッチは、下図のとおりである。

 
Fig.6 スイッチの構造[1]



 この簡単そうに見える回路は、誘導性負荷(できればモータが望ましい)を使うことが推奨される。しかし、長期テストの結果を考慮されたい。もし、スイッチング・レートおよびスイッチング・クオリテイが充分水準に達していれば、負荷にはパワーが無期限に与えられるであろう。

 使われているバッテリは、通常の鉛蓄電池である。3年間のテストを行ったあとにおいて、蓄電池は完全な状態に見えた。彼らのテストから、多くの興味深いことが明らかになった。

 回路のスイッチを切り、バッテリを低レベルの放電をさせたあと、スイッチを再び入れると、バッテリーは、1分間でフルに充電完了した。大きな充電率で充電してもバッテリは温度上昇しなかった。回路のスイッチを切り、バッテリから大レベルの電流を引き出すと、普通のバッテリに通常見られるような熱の発生が起こった。

 このシステムは、照明器具、ヒータ、テレビ、小型モータ、および30馬力のモータを作動させた。負荷をかけて動かしたままにしておくと、各バッテリは、約36Vまで充電されたが、何も悪影響はなかった。この過充電を防ぐ制御回路が開発された。…

 (訳註:30馬力のモータを軸負荷なしに空転させたということではないだろうか?)

 これらのテスト結果は、みごとなバッテリ充電性とバッテリ性能を示していた。通常の鉛蓄電池の通常の振る舞いの全く埒外にあった。

 そのシステムには、前述のような非常に短く非常にシャープなパルスを供給したのだろうか?

 そうではないようだ。エレクトロダイン・コーポレーションから得られた情報の非常に興味深い点は、100Hz以下のスイッチング・レートになると回路は正しく動作しなかったということである。エレクトロダインのスイッチング方式は、小型モータに取り付けた3個のデイスクによる機械的な方式であった。

 エレクトロダインの実験者によってもたらされたもう一つの詳しい話は、スイッチング速度が800Hzを超えると危険であったという。残念ながら、何故あるいはどういう風に危険なのかについては明らかにしなかった。それは、バッテリに関しては、明らかに重要な問題ではない。というのは、3年間の運転の後、バッテリーは順調だったし、確かに爆発したバッテリは、そこになかったからである。

 それは、各バッテリの電圧があまり高くなり回路のパーツの電圧規格を超えてしまうというような単純なものだったのであろう。あるいは、負荷が大きなパワーになるとか、こんなことが可能性としてあるだろう。800Hz以上では、充電が過剰な冷却作用をもち、それがバッテリに良くないということかもしれない。

 一般的に、この特性が適正に作動する回路に対しては、スイッチングが、非常に急速であり非常に効果的でなければならない、と理解されている。多くの人たちは、エレクトロダインが用いた機械的スイッチングよりどちらかといえば半導体スイッチングを使うことを、すぐにも使用することを進める。

 サイリスタあるいはSCRがこの目的に適するであろう。しかし、FET IRF540をドライブする光アイソレータ PCP116の鋭いスイッチングは印象的であり、光アイソレータには、TC4420 FETドライバも適切であり得る。On- Offのスイッチング後の微小な遅延は、非常に効果的であり得る。

 (中略)

 機械的なスイッチングは、確かに上手く動作するように見える。しかし、電子回路で試みるには、スイッチング回路を用いてマーク/スペース比を正確に50%にする必要がある。従って、下図のようなスタイルの回路が、位置"A"に示す多回転プリセット抵抗で行うとよいかもしれない。

 
Fig.7 マーク/スペース比を正確に50%にするスイッチング回路[1]



 ここで、周波数は、マークス/ペース比調整で、さほど大きくは影響されない。ピン3からの出力は、IRF540 FETにつないだTC4420 FETドライバーのような、非常にシャープなスイッチング結合をドライブする必要がある。

 おそらく、回路は下図のようになるであろう。

 
Fig.8 周波数を変えずにマークスペース比を調整する[1]



 この回路は、周波数を変えることなしにマークスペース比を調整することが出来るし、周波数はマークスペース比の調整に影響を与えることなしに調整できる。テスラ・スイッチの回路では、ONの位置に3個のスイッチが必要であり、OFFの位置に他の3個のスイッチが必要である。従って、我々は、上に示した通常のタイマーIC, NE555の回路を使ってこれをしようというわけである。

 我々は、この回路を、6個の光アイソレータをドライブするのに使用する。光アイソレータは要求される3個のグループにおける6個のトランジスタのONとOFFをスイッチングするのである。非常に早いスイッチング速度を得るためには、光アイソレータPCP116を使うべきである。もしこれが入手しにくくても、全力で探すべきである。これはスイッチング速度を高めるからである。

 可変抵抗のタイプは、幅広く存在する。おそらくプリセットタイプがよいであろう。というのは、調整が非常にしやすく、設定がしっかりしているからである。また、正しいセッッテイングがなされたあと、その位置を永久に保持できる。よくあるタイプは、下図のようなものである。

 
Fig.9 よくある可変抵抗の例[1]



 トップの位置で調整するものもあり、サイドの位置で調整するタイプもある。これらのどれも、この回路を組むためのストリップボードあるいはプリント基板に直接マウント可能である。

 しかしながら、問題は、電流の流れる方向を決めること、従って半導体部品の配置である。何故なら、テスラ・スイッチは、通常の電子回路の設計では確かに殆ど動作しないからである。

 もし、あなたが、本節の初めに書いた図のなかのダイオードを逆にしたら、回路は確実にCOP<1に留まるであろう。…本節の初めの二つの図に示したようなダイオードで、回路は環境からエネルギーを取得して動作する。これは、回路において完全に異なった方法で動作している。

 1989年にYury Podrazhansky および Phillip Poppに与えられたUS特許No.4,829,225{文献2}のなかで、バッテリーは、特殊な方法でパルス入力すると、よく充電され、長寿命になるという証拠が記されている。彼らの公式というのは、バッテリーは、1/4秒−2秒の時間続く、強力な充電パルスが与えられるべきであるということである(パルスはバッテリーのアンペア・アワー規格)。

 すなわち、85AHrバッテリーに対して、充電パルスは、85アンペアである。そのパルスの後に、同じ放電パルスがおこる。より大きな電流だが、充電パルスの期間のたった0.2%-5%の間続くだけである。この二つのパルスは、次のパルスが繰り返される前に、休止状態となる。彼らは、この方法を用いるときの彼らの経験による実例を下記のように示している。

 
Fig.10 US特許No.4,829,225[2]



 興味深いことに、これは、特に、もし二組のスイッッチング動作のあいだの短い休止期間があるときは、テスラスイッチ型の充電ポテンシャルを確証させるものに見える。

 このスイッチング回路の他のバージョンがある。それは、ダイオードの数を増やしたものであるが、高出力のゲルマニウムダイオードを見つけるのはだんだん難しくなりつつあるとはいえ、ゲルマニウムタイプのものが、ずっと具合が良い。回路図は下図のとおりである。

 
Fig.11 スイッチング回路の他のバージョン[1]




 
Fig.12 スイッチング回路の他のバージョン[1]





 

 3個のバッテリーによるスイッチングシステム



 テスラスイッチ型の動作を追及していくと、3個のバッテリー(あるいは3個のキャパシタ)だけで、同じ効果を達成できることがわかる。約一世紀前の Carlos Benitezの特許、さらに最近ではジョン・ベデイニが記していることを考察すると、もしもっと複雑な回路スイッチング法を使うなら、3バッテリー法を使うことができる。

 カルロスは、配線が過熱されることとバッテリーの効率が100%でないことからエネルギー損失があることを指摘している。彼はこの問題を、後述の非常に賢い回路を使って克服した。(以下省略)



文献
[1] Patrick J. Kelly: A Practical Guide to Free-Energy Devices; Cpapter5.
[2]Rapid battery charger, discharger and conditioner: US 4829225 A, http://www.google.com/patents/US4829225










3. バッテリーの秘密とバッテリーの若返り 



 イーサエナジーあるいはラジアントエナジーと呼ばれるエネルギーは、蓄電装置(例えば、ジョーセル、蓄電器、電池、キャパシターなど)と親和性があるため、これらが良く使われる。このときパルス列が重要になる。以下は、文献[1}の抜粋・概訳である。

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 バッテリーの寿命が尽きれば廃棄する必要性があるが、ある種の薬品とパルス充電を用いて、廃棄の必要性を少なくするバッテリー再調整法を向上させた発明者がいる[1]。

  

 3.1 ベディニの R-充電装置:バッテリーの若返り



 ベディニのルネッサンス・チャージ(R-充電)は、(テスラのラジアントのような)初めてのラジアントバッテリー充電器を市場にもたらした。これは、硫酸塩化した(=死んだ、あるいは死にそうな)バッテリーの容量を根本的にすごく増加させ、交換コストを劇的に減らすものである。

ベデイニのラジアントバッテリー充電器[2]


 また、R-充電は、通常の充電器よりも少ない電力で充電できる。(PEWiki; Nov. 10, 2008)

 彼の R-充電装置のYoutube動画は、 https://www.youtube.com/watch?v=6mKOL0JGUxwで見られる。





  

 3.2 リンデマン著:バッテリーの秘密





 Lndemann著:Battery Secrets & Battery Rejuvenation:

 理論的に無制限回数のバッテリーサイクルを達成するのに良好な状態にバッテリーを維持すること。その背後にある真のサイエンスを理解しよう。バッテリー製造企業はこの秘密を公表していない。バッテリーの充電や若返りの専門家もこのことを、あなたに教えてはくれない。



バッテリーの秘密[1]
リンデマン[1]

 何故、市場に出回っている充電器は、実質的に、どれもあなたのバッテリーを殺してしまうのかを理解しよう。(EMediaPress; November, 2011)

文献:

[1]Battery Reconditioning and Recycling, http://peswiki.com/index.php/Directory:Battery_Reconditioning_and_Recycling
[2]ベディニの R-充電装置のYoutube動画: https://www.youtube.com/watch?v=6mKOL0JGUxw


4. 対抗/相殺磁場




 フリーエナジー分野では,磁場と磁場が互いに打ち消すように対抗させるように配置した対抗磁場あるいは無誘導巻きコイル(NIC)が使われているケースがある。 これらは,気(トーションフィールド;TF)を発生するとして古くから知られている。FEを開発するにあたっては,こうした対抗磁場やNICについて研究をする必要があると推測される。

 実際,NICがトーションフィールドを発生し生体に影響を与えることや,他のトーションフィールドに大きな影響を与えることの実験とその結果が,いくつか報告されている[1] 。NICにより形成されたフィールドによるトーションフィールド制御の可能性を示唆している。

 従来の電子電気工学では,NICはホイートストーンブリッジに用いられてきたが,それは単にL成分をなくすための目的であった。他にも用いられてきたが,FE分野で用いられるようなTFに着目した用い方は,今後の重要な研究分野になるに違いない。現在の電磁気学は,まだ未発達状態と考えた方が良いであろう。

4.1


Fig.25 in Chap.5 大橋コイル 井出特許 エマモータ

文献

[1]「気の探究と応用」




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