フリーエネルギー技術開発の特徴と種々相

フリーエネルギー技術開発の特徴と種々相





Chap.20a.  回転体の物理(重力・放射線など)

1. 右回転ジャイロによる重力減衰―ハヤサカ&タケウチ
2. メルニク:非電磁気的回転体の遠隔作用
3. “サンバースト”N-マシーン by B. デパルマ









Chap.20a.  回転体の物理(重力・放射線など)



1. 右回転ジャイロによる重力減衰―ハヤサカ&タケウチ


 
Fig.1 ハヤサカ

 これは、ハヤサカとタケウチによって発表された論文である。文献[1]によれば、ハヤサカ(早坂秀雄)は、



と、紹介されている。上記のように、反証実験が行われ、実験結果は否定された、と書いてある。これは一般的な結論であろう。しかし、早計な結論であると私は思う。私は、反証実験をよく読んでみると、彼らの実験条件は、早坂等のそれとは異なっていた。そのことと文献[2]をあわせて考えると、私は、いろんな理由から、早坂の実験は、否定されていないと考えている。むしろ、今後、真価が評価されるようになるだろう。

 上記論文が掲載された学術誌 Physical Review Lettersは超一流の学術誌であり、審査は非常に厳しく、その審査をパスできる相当な実力がないと掲載可にならない。なお、ハヤサカは、ロシアアカデミー学術組織委員、米国物理学論文審査委員、元東北大学助教授(工学博士)であったといわれている。

 彼は、北海道の札幌にいたころの、昭和32年(1957)に、たまたま訪れた千歳空港の上空に未知の飛行物体が滞空しているのを目撃した。当時は、まだUFOという言葉はなかったが、今でいうUFOであった。それは、10分くらい滞空したあと、突然すごいスピードで消えてなくなった。

 そのような飛行物体に関する外国の書物を調べると、重力を打ち消しているらしいと分かった。昭和60年(1985)ころになって、本格的に重力の研究に入った。もう既に膨大な学術論文がでていた。しかし、どれも、アインシュタインの一般相対性理論や重力理論に基づいた理論で、全ての論文の結論としては、当然のことながら、「重力=引力」の枠内の話であった。反重力という言葉は、全くなかった。これではだめだ。そこで、どう考えたか。

 
Fig.2 ヤン(楊振寧)
Fig.3 リー(李政道)
Fig.4 ウー(呉健雄)

 1956年にヤン(楊振寧)リー(李政道)は、当時説明不能だったK中間子の崩壊に関する現象を説明するため、弱い相互作用が関与する物理現象ではパリティの対称性が破れると予想した。この予想は、1957年にウー(呉健雄:この人は女性科学者)により、弱い相互作用が関与する物理現象であるベータ崩壊を観測する実験で確かめられた。

パリテイの対称性
 通常の物理現象は空間反転を行っても変わらないように見える。具体的には、まったく見知らぬ国の映像がテレビに映っている場合、その画面が通常どおり撮影されたのか、一度鏡に反射させてから撮影されたのかは、通常の物理現象を見ているかぎりは判別できない。この様に空間反転した状態と元の状態で物理法則が変わらないことをパリティ対称性がある、または、パリティが保存されているという。
 物体に働く力(相互作用)は重力相互作用、電磁相互作用、強い相互作用、弱い相互作用の四つの相互作用に分けられる。これらの中で、パリティ対称性の破れがみられるのは、弱い相互作用の関係する物理現象のみである。文献[3]より引用。
 一方、重力相互作用は弱い相互作用よりもはるかに相互作用のオーダーが小さい。ならば、弱い相互作用で左右の対称性、あるいはパリティが破れているのだから、重力も、パリティが破れているのではないかと、彼は推論したのである。

 彼の、最初の目標は、真空場から電気エネルギーのようなものを取り出せないかということと、引力を打ち消すようなことができないかということであった。原子力エネルギーよりよいものがあれば、それを使うべきだという考えが根底にはあった。

 彼は、いままであまり注目されなかったマックス・アブラハムの重力理論に言及している。アブラハムが、その論文を発表したのは、アインシュタインが一般相対性理論を発表したのと殆ど同時期の1912年であった。

 
Fig.5 マックス・アブラハム


 マックス・アブラハム(1875-1922)は、ドイツの物理学者である。ユダヤ商人の家族に生まれ、父親はモーリッツ・アブラハム、母親はセルマ・モーリツゾーンである。ベルリンの大学で、マックス・プランクの下に学んだ。1897年に卒業し、3年間プランクの助手を務めた。

 その後、様々な大学で物理学教授として教鞭をとった。電子の理論、ラジオ波の伝播理論、重力理論、その他に取り組んだ。1922年に脳腫瘍でなくなった。彼の死後、マックス・ボームとマックス・フォン・ラウエが、追悼文で次のように述べている:“彼は、彼の絶対的イーサ(absolute aether)、彼の場の方程式、彼の硬い電子を、青年がはじめの情熱の炎を愛するがごとく、愛していた。”

 アブラハムの重力理論の特徴は、「重力=引力ではない」というものであった。基本的考え方としては、真空という時空全体が、実は斥力も持っている媒質であるという。つまり、空間というのは、いうなれば、何か空間全体を構成しているような媒質である。

 水と対応させて考えると、水の中に物を入れるとその水が排除され、その分だけ揚力効果(浮力の効果)が生じるが、それと同じように媒質がこの宇宙空間すべてに存在しているはずである。そうすると、斥力効果も反重力効果もある、という理論である。この理論が物理関係のジャーナルに掲載されたとき、アインシュタインは、確かに論理的に正しいと述べた。

 アブラハムは、宇宙にはイーサのようなエネルギーが充満しているので、それによってプラスのエネルギーが発生し、距離の3乗に反比例するような斥力効果があると、結論している。

右回転ジャイロによる重力減衰実験

 
Fig.6 ハヤサカ等が用いた天秤[2]



 
Fig.7 ハヤサカ等が用いた天秤[2]























続く







 [1]Wikipedia: 早坂秀雄
 [2]早坂秀雄: 「宇宙第5の力、反重力はやはり存在した」徳間書店、(1998).
 [3]Wikipedia: パリティ対称性の破れ


2. メルニク:非電磁気的回転体の遠隔作用


 この論文[1]は、非電磁気的回転体が、その周囲に非電磁気的なフィールドを形成していることの発見と、その遠隔作用を測定したものである。液体窒素冷却したGe(Li)半導体ガンマ線検出器を用いてCo60(1332, 1173keV)およびCs137(661.6keV)のガンマ線を測定したとき、非電磁気的回転体の遠隔的影響で、ガンマ線強度の測定値(ピークエリア)に異常が現われるという結果を報告している。

 回転体の速度は2,100rpmおよび6,000rpmであった。これはモータで回し、放射線源の垂直上方に位置させた。その距離は実験条件により変えた。右回りと左回りの両方実験した。(訳註:回転体はモータのシャフトと書いてあるから、その材料は鉄であろう。大きさは記してない。)半導体ガンマ線検出器は放射線源の垂直下方に設置した。回転させたときと静止したとき、各10回づつ測定した。

 中央値MsとMEの、それぞれ対応する分布ErotとEst、および SrotとSstへの依存性を調べた。ここで、SrotおよびSstは、それぞれ、回転モードおよび静止モードにおけるピークの二乗値である。これらの中央値は、全て、1より小さい。次式の値をプロットした。

ΔМS = (1-Srot/Sst),     (1)

ΔМE = |1-Еrot/Est|Eγ,  (2)


 ここで、Eγは光子のエネルギー(keV)である(Fig.1)。

 
Fig.1 dMEのdMS依存性[1]






 放射線計測・核物理・固体物理の専門知識がないと理解は難しいので、これ以上詳しく書かないが、こんな話もあるということで、一応、気にとめておいたらよいと思う。

 内容的には、奇妙な話であり、実験ミスではないかとも思えるのであるが、一応紹介しておく。原文[1]およびその引用文献[4-6]をじっくり精査した読者が判断したらよいと思う(場合によっては自ら再実験して)。なお、この異常現象は、トーションフィールドに起因していると結論している。

文献

 [1]Igor A. Melnik: Remote action of rotation on the semiconductor detector of gamma-ray radition
 [2]Wikipedia: 半導体検出器
 [3]Basic Semiconductor Detector
 [4]I.A.Melnik, ≪Experimental detection of the influence of a rotation on the statistical distribution on the instrumental spectrum of isotope gamma-radiation≫, Rus.Physic. Jour., no.5, pp. 19-26, 2004.
 [5] I.A.Melnik, ≪Remote influence of rotating objects on semiconductor gamma-ray detector≫, New Energy Technol., no. 1, рp.58-69, 2005.
 [6] I.A.Melnik ≪Remote influence of rotation on radioactive decay≫, New Energy Technol., no. 2, рp.33-36, 2005.
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(付録: この論文を理解するための予備知識)

半導体放射線検出器とは?


 Fig.2において放射線が、半導体の中を通過する(赤い直線)と、電離作用で電子・正孔対が発生する(図の−が電子、+が正孔)。半導体に電極をつけて電圧をかけておくと、その電界により電子・正孔は電極の方に流れ、電極にたまる。これをチャージセンシテイブアンプ(電荷増幅器)で増幅すれば、パルスとして観測される。

 
Fig.2 放射線による電子・正孔対の発生[3] 


 
Fig.3 電子はプラス極の方に引っ張られる。正孔はこの逆(図示なし)。[3]


 
Fig.4 シリコン検出器の場合の典型的な例[3]




 電子-正孔対を1個作り出すのに必要なエネルギーは、ゲルマニウム半導体検出器で2.96 eV、シリコン半導体検出器で3.64 eVである。ちなみに電離箱、比例計数管などのガス形式の検出器では約 100 eV必要である。

 下図は、横軸が放射線のエネルギーで縦軸は放射線のカウント数を表している。この図を放射線スペクトルという。放射線スペクトルの解析を行うには、上述の通り増幅器によって電気パルスを増幅し、これを多重波高分析器 (MCA) でスペクトルを得て、それを解析する。

Fig.5 放射線検出器のスペクトル分析装置により得られるスペクトルの例[2]。
図をクリックすると拡大します。










3. “サンバースト”N-マシーン by B. DePalma



ブルース・デパルマ(1935-1997)文献[2]
1958年にMITを卒業。MITおよびハーバー
ド大学にて電気工学および物理学を学ぶ。
MITでは、講師を務めた。N-machineを発
明した。写真は文献[2]より。
 デパルマは、彼がN-マシーンと呼ぶフリーエナジー発電機を発明したと主張している。フリーエナジー装置かどうか、その真偽は知らないが、彼の装置の図からは電磁気学の教科書にあらわれるファラデイの単極誘導を思い起こさせる。

 彼の論文が文献[1]である。この文献は、もちろん、査読付き学術論文ではない。かなりぼかした書き方をしているせいなのかデータ不足と論理の飛躍が見られる。

 とはいえ、N-マシーンは、FEの分野でよく取りざたされることと、何等かのヒントになるかもしれないので、以下、文献[1]の抜粋・概訳を少ししておく。

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ブルース・E・デパルマによる“サンバースト”N-マシーンの性能



“サンバースト”
 (訳注)サンバーストとは、1960年代後半に国際的スピリチュアル共同体として発足し たもので、インド人パラマハンサ・ヨガナンダが想定した自給自足のワールド・ブラザフ ッド・コロニーの思想に刺激されて設立されたものである。スピリチュアルと農業が主体 である。
 創立者はノーマン・ポールセン(Norman Paulson)である。彼は彼の人生についての本を書いているが、本の名前は“古代の帰還”である。その中で永久エネルギーと飛行メカニズムに一寸触れているところがある。⇒“古代の帰還”

 1979年の早春、筆者とスピリチュアル・農業共同体“サンバースト”の職員とともに、その施設でN-発生器のテストと評価をするためのプロトタイプの発生器を製作した。1年かかってマシーンを進化させ洗練させた後、1980年8月に慎重なテストを行った。

 考察すべき重要な点は、マシーンによって空間から引き出された電力の増加分に関連しているメカニカルな引き出し作用である。



実験



 実験装置は、図1に示すように、駆動モータでドライブされるN ジェネレータ・マシーンからできている。とくに、N ジェネレータ・マシーンは、回転軸の上に12個のブラシがついている。

拡大します
Fig.1 文献[1]
図面上クリックで拡大します。



 円盤ブラシは、各ブラシ4個からなる3グループを円盤の両側と頂上に配置した。回転軸のブラシは各6個からなる2グループで、フロント・ベアリング・マウント板の両側に配置した。ブラシは1インチ×1インチの長方形の黒鉛である。

 ベアリングは、潤滑油システムで潤し、マシーンは6000rpmで振動なしに回転するようにバランスをとり、ガラス繊維を巻いた。ベアリング支持部およびマシーンを取り囲むものは、木材および真鍮であるが、これは、電流引き出しでマシーンに抵抗を引き起こすであろう鉄や磁性体が接近するのを避けるためである。

 駆動モータは、標準的な40H.P., 400Vac, 60Hz, 3相モータである。モータ速度は規格が3,485rpmであり、最大出力における最大電流は50.5Aである。モータはN-マシーンにダブル・ドライブ・ベルトで結合した。モータのプーリの直径は、9 7/8インチ、N-マシーンのプーリの直径は、5 3/4インチである。これは、ステップアップ比が、1.72倍となり、N-マシーンは6,000rpmで回転する。

入出力の計算



(以下の記述は雑っぽいので略す)



文献

[1]PERFORMANCE OF THE SUNBURST'' N-MACHINE by Bruce E. DePalma
[2]DePalma, Free Energy and the N Machine By Bruce DePalma:E book published by Computer Underground Railroad Enterprises - C.U.R.E. Publishing Copyright #PAu2-759-072 MOSES - A MOVEMENT TO FREEDOM c 2003 Designed by - J. Nayer Hardin & Sherwood Akuna







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