フリーエネルギー技術開発の特徴と種々相

フリーエネルギー技術開発の特徴と種々相






Chap.17.  浮揚・電気・ソリトンなど


1. フロイド・スウィートの冷える装置VTA―重量変化・発電・自立運転
2. カデューシャス(カドケウス)コイル
3. ノーダンのカデューシャスコイル実験
 3.1 ソリトンとは
 3.2 ソリトン・パルスの発生実験
 3.3 ソリトンの伝送
 3.4 バルクハウゼン効果の実験









Chap.17. 重量変化・重力・浮揚・電気



1. フロイト・スウィートの冷える装置VTA ― 重量変化・発電・自立運転



 文献[1]によれば、以下のように記述されている。ただし、これは学術論文ではないので、厳密性・記述性に問題があるのはやむを得ないでしょう。理解しがたいところや頭をかしげたくなるところは多々あるが流し読みするしかない。全体を通じて何かをつかめれば幸いである。ヒントやきっかけにして欲しい。そして、そっくりさんを作ろうとするのではなく自分独自の設計で研究して欲しい。とくにアシュレイの構造は大きなヒントやきっかけになるのではないか。

 文献[1]Kelly: Practical Guide to Free Energy Device, Chap.3.

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 これは、VTA(Vacuum Triode Amplifier)と呼ばれるフロイト・スウィート(Floyd Sweet)の装置である。この装置は60Hz, 120Vで1kW以上の出力がでる。出力の一部を入力に帰還して自立運転可能である。出力は、モータを回し、電球を点灯するなどの点で電気に似ているが、負荷を通してパワーが増加すると、普通なら温度上昇が期待されるのにもかかわらず、逆に温度が低下する。

 彼が、この装置を製作したことが知られるようになったとき、深刻な脅しのターゲットになった。真昼間から面と向かって脅かされたことも幾度かあった。関心問題は、ゼロポイント・エナジーを捕獲する装置が原因の可能性が大いにあった。その装置は、電流が増加すると、やっかいな問題を新たに起こすのである。

 その装置について観測された特徴のひとつは、電流が増加したとき、装置の重量が約1ポンド(1ポンド=453.6グラム)も減少したことである。殆ど知られていないが、時空間が曲がる(ワープする。ウオープする)ことを示唆していた。ドイツの科学者が第2次大戦の終わりに、この装置を研究していたが、このシステムをテストするのに使われた不幸な人々は死んでしまった。Nick Cookの書いた本 “The Hunt for Zero-Point” を読むとよいだろう。

 フロイトは、その装置の重量は、発生したエネルギー量に比例して減少することを発見した。しかし、負荷が十分大きくなると、空気の動きはないが旋回する風のような大きな音が発生するという臨界点に突然到達した。その音は、アパートの別の部屋にいる妻のローズにも、アパートの外にいる人たちにも聞こえた。

 フロイトは、それ以上負荷を大きくしなかったし、テストを繰り返すことはしなかった(もしかすると彼は致命的な放射線量を浴びたのかもしれない)。私の考えでは、これは危険な装置である。作るのはやめた方がよいと、個人的には、そう思う。高度に致命的な20,000Vが磁石を調整するのに使われたことと、作動原理が当時は分かっていなかったということに注意すべきであろう。それにまた、実際に組み立てるための詳細についての現実的アドバイスを与える十分な情報が存在しない。

 フロイトは、あるとき、ふと出力線を短絡してしまったことがある。パッと明るくフラッシュが光り、ワイヤは霜で覆われた。出力負荷が1kWを超えると、装置にパワーを与えている磁石とコイルは、さらに冷たくなっていき20°F (=-6.7℃)に達した。あるとき、フロイトは片方の手の親指と小さい指の間を流れる装置からの電流でショックを受けた。凍傷に近い損傷であり、少なくとも2週間、ひどい痛みが続いた。

 この装置について観測された特徴は、

 
  1. 出力電力を100Wから1kWまで増加させても出力電圧は変化しない。

  2. 装置には、少なくとも25Wの負荷をかけ続ける必要がある

  3. 出力は、早朝は低下し、その後、何ら干渉なく回復する。

  4. その地方の地震は装置の作動を停止できる。

  5. ドライブコイルに簡単に9Vを印加することにより、装置は自立運転モードでスタート可能である。

  6. パワーコイルへのパワーを一瞬さえぎれば、装置は停止できる。

  7. 通常の電気機器は1kWまでは正常に作動する。それ以上では、メータの読みはゼロを示すか、偽の読みを示す。


 (訳註:ここから以下3段落は、コンデイショニングに関する記述であるが、あいまいで分かりにくい。ざっと流し読みでも、かまわない)

 情報は限られているが、フロイトのデバイスは、1個か2個の大きなフェライト永久磁石(grade 8, size 150 mm x 100 mm x 25 mm) から成り、それにコイルが互いに直角(つまりx,y,z軸)になるように3面にまかれていた。フェライトマグネットの磁化は、コンデンサに溜め込んだ電気(510ジュール)で20,000Vを瞬間的に印加するか、あるいは、エネルギーコイルを通して60Hz(または50Hz)で1Aの交流を同時に各サイドの磁石プレートにかけて磁化に変化・特徴を与えた。

Fig.1.1 コイル、A, B, C, 文献[1]


 交流は出力に要求される周波数でなくてはならない。磁石プレートへの電圧パルスは、Aコイルの電圧がピークに達した瞬間にかけるべきである。これは電子回路的に行う必要がある。磁石プレートにパワーを付与することは、磁性体を約15分間共振させ、またエネルギーコイルに与えられた電圧は磁石の新たに形成された磁極の位置を変化させ、その後にその周波数と電圧で共振させるであろう、といわれている。

 この”コンデイショニング(調整)”プロセスで、エネルギーコイルに印加した電圧は完全な正弦波とすることは重要である。ショック、あるいは外的影響は”コンデイショニング”を破壊してしまう可能性があるが、しかし、”コンデイショニング”を繰り返せば元に戻せる。最初のコンデイショニングプロセスで成功しないかもしれないが、同じ磁石で繰り返せば通常は成功する。

 いったん、 コンデイショニングが完成したら、もうコンデンサーは不要である。デバイスは、入力コイルに数mW(60Hz)を入力するだけで、1.5kW(60Hz)の出力が得られる。出力コイルは入力コイルに際限なく供給可能であり自立運転となる。

 コンデイショニングは、フェライト材の磁化に変化・特徴を与えている。コンデイショニング前は、N極は磁石の表面にあり、S極は反対側の表面にある。コンデイショニング後は、S極は中間点で止まることなくN極の表面の外側の端に向かって延び、端から6mm内部まで延びている。さらに、N極の中間に生成した磁気バブルがあり、このバブルは他の磁石を近づけると、その位置が移動する。

 コンデイショニング後の磁性体には、三つのコイルが巻いてある。

 
  1. 外側の各ふちのまわりに先にコイルAをまく。各巻き線は、150 + 100 + 150 + 100 = 500 mmの長さ(これにコイル枠材の厚みによる分を少し足す)である。28 AWG 線(0.3 mm) を約600ターン巻く。


  2. コイルBは100mmの両表面を通って巻く。したがって1ターンは、約100 + 25 + 100 + 25 = 250 mm の長さである(これにコイル枠材の厚みによる分を少し足す)。20 AWG線 (1 mm)を約200-500ターン巻いた。


  3. コイルCは、500mmの両表面を通って巻く。したがって1ターンは、約150 + 25 + 150 + 25 = 350 mm の長さである(これにコイル枠材の厚みによる分を少し足す)。20 AWG線 (1 mm)を約200-500ターン巻いた。このとき、コイルBの抵抗値にできるだけ同じになるようにする。コイルAは入力コイルである。コイルBは出力コイルである。コイルCは、コンデイショニングに使われるが、重力効果を発生させるのにも使われる。


 オリジナルのプロトタイプの動作のビデオは、ベアドン(Tom Beardon)のウェブサイト、http://www.cheniere.org/sales/sweetvideos.htm、でDVDが入手可能(有償)である。ミカエル・ワトソン(Michael Watson)の論文[1.2}は、多くの実際的な情報を提供している。例えば、彼は、自分で作った装置は、抵抗70Ωでインダクタンス63mHのコイルA、23AWG線を巻いた抵抗5.05Ωでインダクタンス1.78mHのコイルBをもっていると述べている。

 最近、フロイト・スイートのデバイスに関する情報が少し付け加えられた。これは、フロイトの仲間によって公にされたのである。その人は、初めモーリス(Maurice)と言う名前を名乗っていたのだが、70歳になりその情報を公にする時期だろうと決心したのであった。これは下記(付録)に示してある。

 ここに書いたほかに、フロイト・スウィートのデバイスを再現しようとしている人を私は知らないが、http://www.youtube.com/watch?v=UVhGQaESKEI&feature=g-u-uからビデオが得られる。そこに、二人の異なる実験者達が、進捗状況や成功のほかに、設計と構造などの経験が詳しく述べられている。

 (付録)ニュージーランドのアシュレイ・グレイ

 2014年4月、フロイトの仲間であるニュージーランドのネルソンのアシュレイ・グレイ(Ashley Gray)から、ある情報がもたらされた。フロイト・スウィートのデバイスの主設計は、作るのが怖い装置であるが、アシュレイが作った簡略化バージョンは、はるかに理解しやすく、再現するのに妥当のように思える。

 1994年6月20日、アシュレイ談:
1985年にアメリカへ旅行した後、私は初めてフロイト・スウィートに紹介された。そのとき、また戻ってきて一緒にやらないかと誘われた。そのとき、彼は、イーソップ研究所のマーク・ゴルデイスから資金援助を受けていて、ロサンゼルスの研究所のダリル・ロバーツが共同コーデイネータとして作業していた。

 しばらくフロイトとともに研究した後、我々はアメリカを去ってイギリスに移動した。ダリル・ロバーツが実験ノートを送ってきた。それは”空間量子変調器”(Space Quanta Modulator)の初めての試験の期間中に記録したものであった。その組み立ての詳細も記録されていた。我々は、その実験結果を確かめる再実験を頼まれた。

 我々は、そのデバイスを作ってみたが、そのときは何も結果は得られなかった。明らかにされた新しい情報の光のなかで、私は、更に実験を進め、磁石のコンデイショニングなしにある程度の興味深い結果をどうにか得た。これは、私の知る限り、オリジナルのデバイスには使われていない方法である。

 私が、アメリカにいるときに作った初期のデバイスは、25mm×25mmの大きさの二個のネオジウム磁石をスチール枠に取り付けたものからできていた。二つの”変調”用巻き線および一つの出力用巻き線があった。1kHzから2kHzまで可変であるサイン波発生発振器を特別に製作し、これでドライブした。

 我々は、このデバイスからは、何の出力も、その他の重要な結果も得られなかった。フロイトはネオジウム磁石の磁場が強すぎるのではないか、それに磁気回路が閉じているのが問題ではないかと感じていた。しかし、磁石のコンデイショニングの必要性には、何も言及しなかった。

Fig.1.2 アシュレイのデバイス, 文献[1]


(アシュレイ談終わり)



 Kelly:
 アシュレイは、次に、二番目のプロトタイプを、バリウムフェライト磁石(150 x 100 x 25 mm)を使って製作した。理解するためには幾つかの事柄が必要である。第1に、アシュレイは、コンデイション処理無しのマグネットを用いてフロイトの設計の簡単化バージョンで作ったように思われるのだが、私には、フロイト・スィートのデバイスの設計とは異なる設計で作ったように見えると言うことである。

 第2に、アシュレイは、入力が0.001Wに対し出力が111Wを得た(COP=111,000)が、とても重要な結果を得ていると、私は思う。第3に、アシュレイは、アルミニュームの筐体で成功していることである。人々は、アルミには磁石が吸い付かないので、アルミは磁性はないという間違った考えをもっている。実際は、アルミは磁場に重要な影響を与えるし、実際、十分厚ければ磁気シールドに使うことだって可能である。

 第4に、アシュレイの設計では、互いに直交する二つのコイルを用いているが、この様式は他のフリーエナジーの構造にも見られる点である。ともかく、アシュレイによって作られた設計図(下図)を見てみよう:

Fig.1.3 アシュレイのデバイスのケイシング, 文献[1]


 上図のように、アルミの容器は浅い。外寸は150 x 100 x 63 mm(=6” x 4” x 2.5”) である。浅い理由は、アルミボックスを通して、したがって、二つのコイルも通して、500ガウスという強い磁場が必要だからである。

Fig.1.3 アシュレイのデバイスの断面図, 文献[1]


 磁力線は、出力コイルの長さ方向と入力コイルの幅方向を通って流れている。図からわかるように、とても大きいマグネットに対し、ユニットはコンパクトである。入力は質の良い正弦波である。アシュレイは、また、次のように述べている。

 オリジナルテスト装置で、はじめて成功した試験に関する実験ノートの詳細:


 コメント:
 周波数は、1.8A, 20Wの電球負荷に、比例的に影響を与えた。すなわち、明るさは周波数を大きくすると大きくなり、周波数を小さくすると小さくなった。ただし、周波数が大きくなると減少するような逆比例する点を除く。

 はじめの変更:
 信号発生器を、本目的用に製作した9V出力の正弦波発振器に置き換えた。入力コイルは、#18ゲイジ(1.024mmΦ)の銅線を使って250ターンに増やした。出力コイルは、#18ゲイジ(1.024mmΦ)の銅線を使って24ターンに増やした。マグネットやスペーシング、等々は、そのままで変更なし。


 コメント:
 変動磁場に銅線を暴露する(あるいは銅線の占領する)領域を増加させると、出力が2倍になる。コイルが占有する体積と出力との関係(比)は、これを書いている時点では、まだ調べてない。マグネットのサイズは、コイルの体積、銅線の直径、入力電圧・電流よりも重要性は小さかった。

 電流は、銅線のインピーダンスによって制限を受けるだけだったが、インピーダンスは、磁場の外ではたった2-3Ω(400Hz, #18銅線(1mmΦ)250ターン)なのに、磁場中で数100kΩまで劇的に上昇した。起動(励起)のためのACの電流は、I2R損失を補填するのに必要となるだけである。というのは、静磁場を作るのに電力は不要だからである。このユニットは、熱の発生なしに10-12時間運転したが、耐久テストは行ってない。この実験には3人が見ている。

 テクニカルノート:
 発振器の性能は重要である。高調波を含んでいてはいけない。純粋な正弦波である必要がある。
 シグナルダイオード(Fig.1.2)は、電流を分流し、パワーコイルと起動(励起)コイルにμAレベルの微小な電流を送る。これは、ベクトル補完が生成されるような方法でマグネットとともに働く。

 出力の負荷の電球はマグネットの近くでは振動する。

 


Kelly:
 磁場がデバイスのボデイを貫かなくてはならないという重要な要件のために、アシュレイが用いた非常に大きなマグネットは、おそらく必要ではないだろう。重要な特徴は、入力コイルと出力コイルが互いに直交する(磁場も電場も直交)しなければならないということである。

 どんなコイルでも、強い磁場の中に置かれたらインピーダンスは大きくなることと、このために入力コイルは、そのように太い線が使ってあることは、あなたは気づいているだろう。アルミは磁場を弱くする主な効果を有する。もし、アルミは、入手し難かったり、うまく作動しないなら、二つの大きな磁石間にフレイムをつけて、おそらく簡便な非磁性体を取り付ければ、少し小型化できるであろう。また、普通のアルミのクッキングフォイルをフレイムの幅に3mmの厚みになるまで折りたたんでフレイムを囲めば、アルミケイシングと同じ磁場効果をもつであろう。

 


(感想)



       


 さらに詳しくは、ミカエル・ワトソン(Michael Watson)の論文[1]は参考になるであろう。ワトソンのVTAの写真をFig.1.5に示した。写真をみると、装置類は、アナログ時代の古いものが写っている。このような時代に、このような研究をしていたことは、驚くべきことである。日本で、もしこのような発想の研究をはじめたとしたら、つまはじきにあうだろう。

 なお、NaudinのCGを参考のために引用しておく(Fig.1.6)。さらにフロイトの論文は文献[1.4]が参考になるかもしれない。VTA装置の理論的考察も述べている。フロイトは、理論も実験も両刀つかいの優秀な人物と推測される。彼の論文のタイトルのNothig is somethigは、さしづめ空即是色だろうか。

Fig.1.5 ワトソンによるフロイト・スウィートのVTAの製作, 文献[1]




Fig.1.6 アシュレイデバイスの Naudinによるグラフィックス







2. カデューシャスコイル





 以下は、文献[1]の抜粋・概訳である。この文献も学術論文ではなく、記述が雑っぽくガセネタかもしれないが、ヒントやきっかけの素材として紹介しておく。あまり、時間を費やして研究するのは、時間の浪費になるかもしれないので注意が肝要である。

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カデューシャスコイル(スミスコイル、テンソルコイルともいう)

 カデューシャスコイルは、オーソドックスな科学の幾つかの分野でよく知られてはいるが、概して無視され、はねつけられている。擬似科学やフリーエナジーの不合理性の領域のものとして追いやられているのである。しかしながら、多くの電子工学実験者達が、このコイルによって起こる説明しがたい数多くの現象を観測している。

 下記の事柄は、未開拓の可能性のある真の大海である。そのような現象を、他の人たちがハードウェアを組み立ててそれが作動するのをちゃんと見ているというのに、単に理論がないという理由ではねつけるのは、科学として奇妙な烙印を押していることになる。



ウィルバート・スミスによるカデューシャスコイルの記述[2]

“このコイルは、長さ9インチ、直径1〜1・1/2インチのフェライトコアに、ゲイジ#16-18の絶縁銅線を単線巻きしたものである。カデューシャス巻きである。すなわち、銅線の中間点から線の一方を巻き始め、もう一方は反対方向に巻いていくが、各ターンで同じ位置でクロスさせる(Figs.3a&3b)。

 カデューシャスコイルはエネルギーの吸い口(sink)だといわれる。---すなわちこれに供給された電流は消滅してしまい、放射が起こることもなく、熱さえ発生しない。動作中、グリッド・ディップ・メータの近くに置くとコイルは200-2.0MHzの間のスペクトルにわたりとても数多くの共振点が見つかるといわれている。

 このコイルは、さらに、インピーダンスがゼロであるとも言われている。また、二個またはそれ以上のコイルを一緒に結合することは出来ないという。”[3]



テンサービーム(テンソルビーム)

 これは、スミスのアーカイブ[4-5]からの、そのままの引用である。

Fig.6 カデューシャスコイル。
より合わせ線、フェライトコア


 銅線は、その中間で二つ折りにして、一端でループ状にする。上図に示すように中間で交差するように巻く。銅線の両端は同じ側に来るようにする。

 カデューシャスというのは、もともとは錬金術のシンボルであった。それは、錬金術における男性と女性のアンドロジニ(両性具有)のように、プラスとマイナスという反対のチャージの融合(キャンセルではない)を意味している。

 したがって、加わった二つの極性の融合として現れ得るとされる。これは論理であって科学ではない。そういうことだから、科学はカデューシャスコイルに何も見解を示すことはなかったのではないか?



 カデューシャス巻きコイルの実験

 幾つもの実験、上記と同様さほど注意深く制御された実験ではないのだが、それぞれ独立の実験者達によりカデューシャス巻きコイルについての実験がなされてきた。

Fig.7 Wilbert B. Smith


 (1)その主な当事者であるウイルバート・スミスにより“テンサーコイル”(テンソルコイル)とも呼ばれている。

 カデューシャスコイルは、fig.#1に示してあるが(この図はない)、基本的に通常の絶縁銅線をフェライトコアに二重螺旋の形に巻いたものから構成されている。このコイルは、高周波電流を流すと、電磁気学とヘルツ波の理論の法則を、破ることが、繰り返し何度も発見された。

 第一に、このコイルは通常のコイルと違って、ゼロインピーダンスであった。電流を流したとき、テンサーコイルは熱くはならなかった。

 第二に、通常のコイルとは違って共振点が無限にあった。通常のコイルは、主にその基本周波数で共振し、第2、第3共振が弱くなる。テンサーコイルは、どの周波数でも強く共振できた。それはスペクトル上、ランダムに存在していた。

 そのようなコイルに入力した信号は、不思議なことに、標準のRF検出デバイスで検出できなかった。このコイルを用いたハム・ラジオ実験者や電子技術者達は、完全に当惑させられたのである。(訳註:下記のように指向性がレ−ザービーム状だった?ことが原因かもしれない)



 カデューシャスコイル間の通信

 或るラジオ・アマチュアが、カデューシャスコイルの一つを送信機として、もう一つは受信機として実験した。ところが、受信機は、信号が伝送されてくる方向を精密に合わせないと受信できなかった。その方向合わせは、まるでレーザービームに合わせるがごときの精密さが必要であった。

 
注意:

 ヘルツ波という用語は、無線の電磁波の伝送・放射の形態だけを意味するのではない。カデューシャスコイルの放射の独自性とは何か、という疑問に対する答えを得るには、初期のラジオの発見者やパイオニア達が使った伝送法に戻ってみる必要がある。

 それは、無線の発見の当時における物理学者によって用いられた“イーサ理論”の全部分である。これは、後に間違いとされ、現代物理学に道をゆずることになるのではあるが…。

teslaenergy.org:

 ニコラ・テスラは、常に、彼が非ヘルツ波と呼んでいるものについて書いていた。彼は1899年、コロラド・スプリングスでのエポックメイキングとなる滞在の間に、電磁波の性質についての新発見を行った。これは、或る人たちには定常あるいは縦波として知られていて、またある人たちには、スカラ波として知られている[6]。

マックスウェルの初めの方程式:

 これは、何故、科学の主流がカデューシャスコイルを無視したのかについての手がかりを与えるであろう。

 下記は、文献[7]からの引用である。

“この好ましからざる三人組み(オリバー・ヘビサイド、化学者ウィラード・ギッブスおよび物理学者ハインリッヒ・ヘルツ)、とくにヘビサイドは、マックスウェルの本来の方程式(複数)のクワターミオン(4個の基となる数)あるいはスカラー成分を無視したのである。

 それらはポテンシャルを意味し、場を意味していないからという理由であった。彼は、ポテンシャルは“神秘主義”に近いものと考えていた。...

...この故意的行為のために、現在の電磁気学には22個のエラーが発生してしまったのである。”



 



カデューシャスコイルが浮き上がる

 このコイルについて、何人かの研究者達が、予期せぬ奇妙な慣性効果が起こることも報告している。ある一人の研究者は、彼のカデューシャスコイルにマイクロ波の周波数のパルスを投入したところ、コイルが自分で浮き上がり、地面から離れ、上下に少しホッピングを繰り返した。

 何故、このようにコイルが飛び跳ねたり、上述のような奇妙な現象が起こったりするのか、標準的な電磁気学理論では説明がつかない。コイルのユニークな巻き方により発生した効果のせいに違いないのである。  



スミスコイル(padrak.com)[8]

 カナダの電子技術者ウィルバート・ブロックハウス・スミスのアーカイブ資料は、よく知られているスミスコイル(カデューシャス)の好ましいやり方を明らかにしている。転換も含めて、縦波と非ヘルツ波効果(Toby Grotz, Glen Rein, William Van Bise, Elizabeth Rauscherの研究を見よ)を発生させるようにカデューサス巻きする方法を示しているのである。

 好ましい巻き方は、長さに対する直径の比が7に対して1、すなわち長さ7cm、直径1cmのフェライト棒の上に巻くことである。

 この比率は全く重要である。長さ7cmの棒に対しては、テフロンあるいはエナメル被覆の14銅線が好ましい。しかし、長さが3cmだと、18銅線が良い。巻き方は上の図に示されている(図なし)。(以下略)



文献

[1]http://n-atlantis.com/caduceuscoil.htm
[2]Analog Magazine, Letters to the Editor, 1971 ?
[3]http://www.rexresearch.com/smith/smith2.htm
[4]http://www.treurniet.ca/Smith/SmithCoil.htm
[5]http://www.treurniet.ca/Smith/ArchiveIndex.html
[6]http://www.teslaenergy.org/intro4.html
[7]http://educate-yourself.org/dc/gwentowersbybyronweeks.shtml
[8]http://www.padrak.com/ine/NEN_6_8_8.html



 (Note)

☤  (付記)カデューシャスの由来

 カデューシャスコイルの研究を行うには、IV章の式(1)-(5)におけるa, bの値(あるいは螺旋の角度)のほかに、周波数と電流が追及すべきパラメータとなりそうである。











3. ノーダンのカデューシャスコイル実験



J. L. ノーダン


 ノーダンがカデューシャスコイルを用いた実験をし、Webに報告している。彼は、カデューシャスコイルによりソリトンが発生すると主張している。もちろんこの主張が学術的に認められたものではないし、どちらかといえば、単なるノーダンの個人的自己主張に過ぎない。しかし、ヒントやきっかけの素材にはなるであろうから、紹介しておく。

 下記の中で、とりわけ重要な事柄は、ベアドンが、物理量の強い勾配がFEには重要であると述べていることである。私がずっと考えていたことと軌を一にする。Tom Beardenのコメントレター(青色コラム)の中に記してある。







 3.1 ソリトンとは


 ここでは、ソリトンという用語が取り扱われているので、先ず、これを簡単に説明しておく。一言で言えば、ソリトンとは、安定したパルス状の波動(孤立波)のことである。

 物理現象としてのソリトンは、1834年にJ・スコット・ラッセルによって初めて報告された。彼はエジンバラ郊外の運河で馬にひかれていたボートが急にとまったとき、船首に水の高まりができるのを見た。そこから孤立波が生じ、8−9 miles/hの速度でほとんど波形を変えずに伝播していくのを偶然目撃した。彼は1マイル以上馬で追跡しながら観察した。その後、彼は水槽をつくり、波高の大きい波ほど、伝播速度は速いなどの孤立波の性質を報告している[1]。

 これは、孤立した非線形の波動で,波形や速度を変えずに伝播し,衝突しても互いに波形が変わらずに通りぬける性質をもつ。1965年にアメリカのザブスキーとクルスカルが数値解析によりこの性質の波動を見つけ,ソリトンと名づけた。物理学の各分野(例えば光ソリトンなど)で,また数学的にも重要な概念になっている[2]。

 下図のように、孤立波同士が衝突した後でも、お互い安定に存在する。衝突する波は二つより多くてもよい。(波の個別性の保持、衝突前後の運動量保存)

ソリトン同士の衝突[3]

これらの孤立波は 「粒子」のように振舞う。孤立波が互いに遠く離れているときには、 個々の孤立波
は近似的には一定の形と速度をもつ進行波である。 そのような2つの孤立波は近づくにつれて次第
に形を変え、最後には 1個の波束に融合する。しかしこの波束は間もなく「衝突」前と同じ 形・速度の
孤立波に分裂する[3]。


 ソリトンは上述のように物理の分野で重要なテーマになっているが、例えば、光のソリトンでは、これを用いた光ソリトン通信では、光ファイバーの中を通る際に、光損失が最小となる赤外波長(1.55μm)帯において使用でき、ピコ(10-12)秒からフェムト(10-15)秒という狭いパルスの長距離伝送が可能で、波形歪みは少なく、伝送速度は従来の光パルスに比べて100倍と速くなると考えられている。既に基礎実験は成功している。



文献

[1]Wikipedia: ソリトン
[2]大辞林:ソリトン
[3]高崎金久: ソリトンのさまざまな顔






 3.2 ソリトン・パルスの発生実験


 以下は、文献[1]の概訳である。

Fig.1 


 
(この情報と図はフリーだが、プライベート用であり、商業的利用を目的としていない。ノーダン)


 1997年11月、私は、カデューシャス巻きコイルに基づいたスカラー波送信機を製作し、そのテストに成功した。この装置は、接地した遮蔽ボックスを通す伝送に関して、とても興味深い特徴を示した。最近、フランスの友人Jean-Michel Courが、この分野の研究で興味深い新しい実験をすることを私に提案した。

 そのため、今日、この不思議なコイルの実験を再開することにした。第一段階として、私の昔のスカラー波送信機がまだ動くかどうかチェックしてみた。この装置は、シールド線プローブSTL120(1:1, 1MΩ/225pF)を用いて全デジタルオシロスコープFluke 123でテストしてみた。

Fig.2 スカラー波送信機のテスト
 


Fig.3 電圧はA-C点の間で測定した(下図を見よ)。
 

 
↑上図中の説明文:

  • Li:カデューシャス巻きコイル、L=670mm、 5個のノード(節)、直径50mm、ボール紙製パイプ、硬い銅線(プラスチック絶縁皮膜)。

  • L2:フィードバックコイル、35/100銅線(#27)で176ターン、ボール紙製パイプ、外径63mm、内径58mm、L=80mm。

  • RFC1:高電流RFチョーク(おそらく1Ωの抵抗で置き換えてよい)、直径8mm、フェライト棒に10/10銅線(#18)を18ターン。


  • 試験:
    LWバンドのポケットラジオを使用する。
    周波数を204kHzにチューニングし、金属ボックスの中に入れる。
    XMTRにスイッチを入れkeying スイッチを押す…。
    スカラー波は金属ボックスを貫通する…。


Fig.4. スカラー波送信機は1997.11のときより上手く作動した。
信号、測定された電圧はデジタルオシロFluke 123上のものと同じ波形であった。
 





ソリトンパルス発生器(SP-Gen v1.0)



 Jean-Michel Courが、彼の論文[2]の中で、カデューシャスコイルから発生する波動のパターンは、ソリトンパルスに非常に良く似ているということを言っている。したがって、実験の次の局面として、私は、自分自身で、複数層のカデューシャス巻きコイルに基づいた、彼の回路を製作しチェックすることである。

Fig.5 


Fig.6.  


Fig.7. カデューシャスコイルをドライブするためにPower MeshTM,
MOSFET IRF840を使用したソリトンパルス発生器の回路図 


Fig.8.  MOSFET IRF840


Fig.9. ソリトンパルス発生器は、ファンクション・ジェネレータ
で発生させた15kHz矩形波(50%DTC)でドライブした。


実験結果:

 矩形波でカデューシャスコイルを刺激すると、非常に興味深い現象を引き起こす。コイルのスイッチを切ると、通常の強い逆起電力パルス(600Vまで上がる)が記録され、15μs後に、30Vおよび弱くない幾つかのパルスの列が観測される(下図のオシロの図を見よ)。

 カデューシャスコイルにより作られたこのパルス列はソリトンに関係し得る。何故ならそれは弱くならないからである。

Fig.10.


Fig.11. 入力周波数: 15kHz(DTC=50%)


Fig.11. 入力周波数: 25kHz(DTC=13.4%)


観測された現象に関する考察と仮説:

 今日、ソリトンパルス発生器(SP-Gen v1.0)の実験を行ったのだが、私の仮説というのは、ソリトンパルス列はフェライトコア中の磁壁のアバランシェ効果により作られるということである。

 強い逆起電力は、磁区を取り囲むブロッホ壁を動かし始める。そうすると、ブロッホ壁のアバランシェ波動がフェライト棒に沿って行ったり来たりする。それは水で満たされた長い長方形タンクのなかでソリトン波が行ったり来たりするがごときである。

 磁壁のアバランシェ効果は、非常に弱い誘導磁場を引き起こすことが可能である。これはよく知られたバルクハウゼン効果である。1919年にハインリッヒ・ジョージ・バルクハウゼンにより発見されたものである。本実験で研究すべき最も興味深い事実は、バルクハウゼン・ジャンプは、逆起電力が(プロセスをスタートし)消えた後にフェライト棒の中で自ら自動的に動くということである。

 今日のところ、これはまだ仮説であり、その確信を得るのには、さらに実験し深く追求することが必要である。



 本実験に対するTom Beardenのコメントレター[3]:

  以下は、その抜粋・概訳である。

 
ノーダン様

 あなたのWeb siteは、驚異的なデモンストレーションを提供し続けています。これは、世界中の全ての研究者に大きな勇気付けとなっています。あなたがなし続けておられる素晴らしい仕事に賛辞と賞賛をおくります。

 あなたの実験で、“矩形波パルス”のエッジはすごくシャープに立ち上がり、またすごくシャープに立ち下がっています。手短かにいえば、“強烈な勾配”になっています。このことに留意されたい。(中略)

 強烈な勾配は、また、‘熱力学第二法則を破る’という先導的熱力学により既に認められた領域でもあります。例えば、コンデプディおよびプリゴジン(Dilip Kondepudi and Ilya Prigogine)の著書 "Modern Thermodynamics: From Heat Engines to Dissipative Structures", (Wiley, New York, 1998, reprinted with corrections 1999)を見られたい。

 (訳註)この本は、訳書がでている。原著の方では、その新版が出ている(2014)。なお、プリゴジンの著作の多くの訳書が出版されている。

現代熱力学
―熱機関から散逸構造へ―



 既に知られている‘熱力学第二法則を破る’という領域は、その459頁にあります。その一つは強烈な勾配であり、そのほかのものは材料のメモリー、等々です。Kondepudi および Prigogineが、そのような強烈な勾配について、“理論的にも実験的にも、あまり良くは知られていない”と述べています。(中略)

 私は、真空(時空)それ自身において、狭い間隙においてエネルギーの強烈な密度勾配が突然起こったとき、何が起こるだろうかということについて、そのメカニズムの研究を、ぼつぼつだが、やっています。ある種の、どちらかといえば驚異的な現象が起こることがわかって来ました。その現象は電磁気学教科書には、ちょっぴりしか書かれていません。

 これは、あなたへのプライベート情報ですが、Bediniも、そのようなパルスと、それによる様々な回路や要素・等々への効果について、ものすごく研究しています。彼は、新しい現象を、高い信頼性をもって、作り出せるし、また、そのコントロールができ、実際の回路に用いるようになっています。彼は、驚くべき結果とそれを導く方法について、またパテントを取ると、私は信じています。

 熱力学の第2法則(エントロピー生成の法則)は、そのような急峻な勾配により破れていることが既に知られているという事実は、あるネガティブ・エントロピーが、第2法則に逆らってしばしば作られるということを意味しています。

 そのことは、真空から過剰エネルギーを乱暴にも引き出す特殊な方法であることを意味します。何故なら、“ネガティブ・エントロピー”は非秩序の減少を意味し、結局、真空(バーチャル状態)の非秩序の秩序化を意味するからです。言い換えれば、関連し得るネガティブ・エントロピーの(一つ以上の)働きが確実に存在するのです。

 問題は、誰も、そのような急峻な勾配でたたくときのように、厳しく急激な非平衡や、厳しく急激な時空間の湾曲等々が存在するときに、真空がどうなるかを調べていないようなのです。

 いま当面する点は、研究する人が使うであろう現象学は、真空それ自体やその力学を“記述”するのに用いるモデルのタイプに依存していることです。ここで、もう一度言っておきますが、あまり良くしられていないのです。理論的にも実験的にも、です。

 電磁気学では、この領域の殆どは“過渡現象”なのだと見なされていますし、そのような“望ましくない”過渡現象は、“消滅”させることに殆どの努力が払われてきました。

 エネルギーは、また“正のエネルギー”である必要はなく、逆に“負のエネルギー”を含むことが可能です(Sweetのデバイスがそうであったように)。実際、SweetのVTAの出力では、正のエネルギーよりも多くの負のエネルギーを発生しました。(訳註:Sweetのデバイスは、上記第1節に紹介した)

 従って、不可思議な負のエネルギーが原因となり、ヘビサイドの成分、VTAは、反重力の方向に向かって変更され利用されました。私が設計したSweet装置は、ベンチテストで、重量が90%減少しました。

 ともかく、あなたの実験が成功することを希望します。それから、もう一度言いますが、あなたが行ってきた膨大な量の研究、とても嬉しく思います。また、私は、あなたのとてつもないウェブサイトを共にするということは、どれほど驚きなことか知れません。

 驚くべきことなのです。35年くらい前に私がこの分野に入ったころに、ノーダン(Jean-Louis Naudin)のようなウェブサイトがもしあったなら、それは何を意味するか一寸考えてみてください。

 しかし、今はサイトがそこにあるし、やってくる若いものは、とても幸運なことだが、あなたの実験とその結果を見ることが出来る。あなたは、真空から電力をとるという来るべき時代に向かうパイオニアを直接助けています。

  よろしく。
  Tom Bearden





文献

[1]The Soliton Pulses Generator Experiment.
[2]Experience basique pour produire des ≪ solitons ≫ electromagnetiques a partir d’une bobine d’induction en Caducee ;
[3]Some comments from Tom Bearden about this experiment,










3.3 ソリトンの伝送




以下は、文献[1]の抜粋・概訳である。



 本実験では、ソリトンパルス は、アースした電気伝導性ボックスを貫通すること、および、厚み5mmのアルミ板も通り抜けることをチェックした。





 (上図)小さなサーチコイルをアースしたスチールボックスの中に入れた。厚み5mmのアルミ板(接地)もカデューシャスコイルとサーチコイルの間に置いた。



 カデューシャスコイルにより作られたパルス(青色)が、サーチコイル中に強い周期的波動(赤色)を発生していることが興味深い。ここで、サーチコイルは、遮蔽ボックスの中に入れ、サーチコイルとカデューシャスコイルの間には接地した厚み5mmのアルミ板がある。






 以下は、文献[2]からの抜粋である。

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 スカラー波発生器(SWT)V1.0で、あなたはスカラー波伝送の実験が出来るでしょう。

 あなたが実行できる単純なテストは、例えば、
  1. LW帯のAMラジオを用意し、例えば、音楽の放送を選ぶ。(訳註:LW帯は、2013年世界無線通信会議において、148.5kHz〜283.5kHzと定められている)

  2. 金属ボックスを用意し、ラジオのボリウムを最大にして、ボックスの中に入れる。

  3. 金属ボックスを閉めると(ファラディボックスのように)、ボックスの厚みが充分あれば、“通常の”電磁波はこのシールドを透過できない。だから、音楽は聞こえなくなる。

  4. AMラジオを取り出し、あなたのスカラー波発生器(SWT)の200kHzにチューニングする。SWTのkyingスイッチを操作してモールス信号のようなBFトーンを聞く。

  5. 上記ステップBを繰り返す。何が起こるか。金属ボックスを通してBFトーンをはっきり聞くことが出来るだろう。
 



文献

[1]Test of the EM Soliton pulses through an EM shield
[2] The Scalar Waves Transmitter V1.0








3.4 バルクハウゼン効果の実験


 以下は、文献[1]の抜粋・概訳である。

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本情報と図はフリーだが、プライベート用であり、商業的利用を目的としていない。ノーダン

Created on January 30, 2005, Last update March 9, 2005



H. Barkhausen


ハインリッヒ・バルクハウゼン(Heinrich Barkhausen) : ドイツの物理学者。鉄のような磁性体に印加する磁場をゆっくりとスムーズに増加していくと、磁性体が磁化されるが、それは連続的にではなく、段階的に磁化されるということを発見した。

 磁性体の上に巻いたコイルにより、磁化の不連続な段階的変化が観測されるであろう。磁性体の磁場の突然的な変移がコイルにパルスを作り出す。それを増幅しスピーカでクリック音を聞くことが出来る。

 これらのジャンプは、磁区のサイズの変化あるいは回転が不連続的に起こることが原因として説明される。―Enclyclopedia Britannica.




(訳註)上記は、辞典Enclyclopedia Britannicaの記述であるが、他の辞典ではどう書いてあるか調べてみた。下記のとおりであった。蛇足的かも知れないが、表現にそれぞれ特徴があって面白いので紹介しておく。

ブリタニカ国際大百科事典:
 強磁性体を磁化するとき,磁壁が不連続的に移動しながら磁化が行われる。そのため,変圧器やチョークコイルなどで雑音電圧が発生する現象。 1919年 G.バルクハウゼンにより発見された。


法則の辞典
 バルクハウゼン効果【Barkhausen effect】強磁性体に磁場を作用させると,磁場強度が大きくなるにつれて不連続な音響を発する現象.強磁性体中で磁壁が結晶内部の不純物や欠陥と相互作用しながら移動するために,磁化に不連続が生じるのが原因である.変圧器やチョークコイルなどでみられる.

大辞林 第三版
 バルクハウゼンこうか【バルクハウゼン効果】 強磁性体を磁化する時,磁壁の不連続な移動によって磁化が変化するため,まわりに巻いたコイルに雑音が生じる現象。強磁性体に磁区が存在することの最初の実験的証明で,1919年に発見。






 自分自身で出来る非常に簡単な実験を以下に述べる。あなたに必要なものは、たった、

だけである。私は、フェライトコアに簡単にコイルを巻く代わりに、フェライトコアの電流トランスを使うことをお勧めする。何故なら、商用電線網から来る50あるいは60Hzの寄生性電磁波誘導の干渉をある程度避けられるからである。



 フェライトコアの近くでマグネットを非常にゆっくり動かすと、バルクハウゼン・ジャンプの雑音を聞くことが出来る。





バルクハウゼン・ノイズを聞く(ビデオ)




文献

[1]ノーダンによるバルクハウゼン実験







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